先生
真咲先生の気持ち―2―
どれくらい抱き合って居たんだろう?
離れていた時間を取り戻すかの様に、俺は純那の温もりを感じていた。
かなり大人気なかったと思う……
情けない。
自分でも分かっている。
でも、純那と一生一緒に居れると思うと、素直に嬉しかったんだ。
さすがに、あまりにも長く抱き合っていると、警備員さんに怪しまれてしまう。
俺は渋々純那から離れると、純那の家へと車を走らせた。
もちろん、手は繋いだまま。
どこか純那に触れて居ないと、またどこかに行ってしまいそうで怖かったんだ。
純那が居ない生活なんて、もう2度としたくない。
たった数ヶ月なのに、ものすごく長くて暗かった日々。
毎日が地獄の様だった。
いっその事、会えなかったら諦められるのに……と、何度も思ったよ。
だから、教師を辞める事も考えてしまっていた。
純那に言ったら幻滅されるだろうな。
でも、それ位辛かったよ。
そして純那の大切さが、身に染みて感じた。
そんな事を思い出すと、つい手に力が入ってしまう。
ギュッと手を握りしめると、天使のような笑顔で純那が俺を見つめてきた。
愛おしい。
俺は信号で止まる度に、純那の額にキスをした。