先生
俺達は途中に有るファミレスでご飯を食べ、純那の家に着いた。
久しぶりに入る新庄家。
あの日の出来事が蘇り、少し胸が締め付けられた。
純那は俺の手を引き、2階に上がって行った。
階段を上がりすぐのドアを開くと、なんとも女の子らしい部屋が目に入ってきた。
そういえば、純那の部屋に入るのは初めてなんだよな。
そう思ったら、何だか緊張してきた。
「汚いけど、座ってて。お茶煎れるから」
純那は恥ずかしそうに言うと、部屋から出て行った。
部屋はシンプルなんだけど、所々女の子らしくピンク色のクッションなんかがベットに乗っかっていたりしてた。
ちゃんと勉強してるのか、参考書が机の上に置いてある。
俺は、『生活指導』と自分に言い聞かせ、机の前に立った。
すると、1粒のミルキーが目に入り何だかニヤニヤしてしまう。
そして、その横の参考書を手に取った。
やっぱりな。
参考書は見事に埃を被っていて、少し笑ってしまう。
相変わらず、勉強してないな。
プライベート中の俺が、教師的な立場で怒らなければならないのは苦痛でしかないので、見なかった事にしようと元に戻しておいた。
ダメ教師だな、俺は。
参考書を置いた俺は、異様な物を見つけてしまった。