先生
机の横には、この部屋にはそぐわないスーパーのビニール袋に包まれた物が置いてあった。
ゴミ?
にしては、何だか厳重に包まれている気がする。
純那には悪いとは思ったが、どうしても気になった俺はそっとビニール袋を開いてみた。
ビニール袋からはA4大の茶色い封筒が、二つ折りになって出てきた。
―――ドキン
俺は今、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまって居るのだろうか?
しかし、ここまで来たからには見ないでしまうという選択肢は、俺の中には無かったんだ。
そっと茶封筒を開くと、中には輪ゴムで無造作に束ねられた複数の封筒が入っていた。
手紙?
このご時世、高校生だって1人1台携帯電話を持っているのに、わざわざ手紙を書くとは思えない。
俺の心臓は、はちきれんばかりにドキドキと鼓動していた。
束ねられた封筒の内、1番外側に有る封筒を輪ゴムから抜き取った。