先生
―――ガチャ
「ごめんね、先生。おそく……!!!」
言葉を言い終わる前に、純那は素早く飲み物が乗ったトレーを机に置き、俺の手から手紙を奪い取った。
「ダメ!!!」
純那は奪い取った手紙をポケットにねじ込むと、俺を机の前から遠ざけた。
明らかに動揺してる。
「なんで隠すの?」
俺は純那の側に行くと、手を握りしめた。
少し震えている純那。
純那をここまで怯えさせる手紙の正体を、どうしても知りたかった。
震える純那を抱き寄せると、優しく諭す様に話した。
「純那、手紙見せて」
「……」
無言のまま、口を開く様子がない。
こんなに頑なな純那は、初めて見たよ。
「大丈夫だから……なっ?」
俺は頭を撫でながら、純那に話しかけた。
「……嫌いにならない?」
「俺は、何が有っても純那を守り愛するって言っただろ?」
「誰も嫌いにならない?」
誰も?!
どういう事か理解出来なかったが、俺は純那に向かって頷た。
すると、純那はポケットからさっきの手紙を取り出し俺に渡した。