先生
「嘘だろ?」
手紙を取り出した俺は、そう呟いていた。
俺は慌てて他の封筒を取り出し、中を出し開いてみた。
頭が真っ白になった。
どれも同じ様に切り抜かれた文字が、工作をするかの様にペタペタと貼り付けられていた。
しかし書かれている内容は、あまりにも陰湿で暗いものばかりだった。
そして、同封されている俺達の隠し撮り写真は、1つの封筒毎に5枚位入っていたのだ。
全て合わせると、写真集に出来るのではないかという位沢山の写真達。
「これじゃ…強迫状じゃないか。まさか、これは…」
「一色先生からだよ」
覚悟を決めたからか、震えが治まり淡々と話す純那。
もう、怒りと言うより……
情けなかった。
純那は、これだけの苦しみを1人で抱えて居たのかと思うと、胸をえぐられる思いだよ。
別れた事で苦しんでいた俺なんかより、何倍も苦しかったはずなのに……
それなのに、普通に振る舞い休まずに学校に来ていた。
しかし、俺ときたらどうだ?
辛くて教師を辞めようとしていたんだから、世話ないよな。
俯いたままの俺に
「先生…一色先生を嫌いにならないでね」
ってさ。
純那にそんな事を言わせるなんて、本当に彼氏失格だと思うよ。