先生
「純那?どうしたんだ?」
表情は暗くて良く分からないけど、声で分かるよ。
先生の優しくて全てを包み込んでくれる様な、温かいくて低い声。
「先生…抱いて」
覚悟を決めた。
もう、怖いなんて思わない。
だから……
「……良いのか?」
いつもと違う私の様子に、先生も気づいたみたい。
「うん、先生となら大丈夫」
そう言うと、私は先生の胸に寄り添う。
温かくて広い胸に頬を寄せて、私はポツリポツリと言葉を発した。
「私ね……生徒じゃなく1人の女性として、先生に見て欲しいの」
「…純那」
分かってる。
そんな簡単な問題じゃない事くらい。
でも、多分なにかが変わるはず……
先生は、まだ私の事を生徒として見ているんだよね。
だから、あんなに葛藤するんだよ。
きっと、何かが先生の中で変わったら……
私を女性として見れたら……
その時、私達は初めて結ばれる気がするんだ。