先生
ある日の昼休み
時が経つのは、本当に早い。
結ばれたあの日から、私達はまた恋人同士に戻ったんだ。
より一層深くなった私達の愛に、もう怖いものなど無かった。
そして春も過ぎ、初夏を思わせる心地よい風が吹く昼休み。
私と柚子と篠は、中庭でお弁当を広げガールズトークをしていた。
私達は3年生になり受験生となってしまっていたのだ。
柚子は大学受験を、篠はバレエ留学をする為に日々頑張っていた。
私はというと……
『真咲先生!!!一緒に食べようよぉ~』
甘い女の子の声が響きわたる。
声の方向を見ると、真咲先生は数人の真咲ファンに囲まれて引っ張られていた。
『こらこら、引っ張るな!服が伸びるだろ!!!』
そう言うと、真咲先生はスルリと女子達をかわした。
一瞬、視線が絡み合う。
その時間、約3秒。
「相変わらずモテモテだね、マサキング」
柚子は嫌そうに話してくる。
「フフッ、本当にね。大変そう」
笑いながら返事をする私を、柚子と篠は不思議そうに見つめていた。
「何かさ、変わったよね純那。良い意味でさ」
篠はサラダをパクつきながら、頷きつつ話してきた。
「本当に、超余裕あるもんね」
柚子はコーヒー牛乳を飲みながら、ニコニコしながら言ってきた。