先生
私はドアノブに手をかけてみた。
まさか、開くわけないよね?
なんて思いながら、恐る恐るドアノブを引いてみる。
―――ガチャ
ウソ……
ドアは意とも簡単に開き、私を中へと入れてくれた。
もう、不用心なんだから!!
私は『入るね』と部屋の方に向かい聞いてみた。
もちろん、返事が有るわけでもなく静まり返った部屋に、私の声だけが響き渡っていた。
『先生、居ないの?』
私は廊下を歩きながら声をかけてみる。
居ないわけないはずなんだけど……
私は、ダイニングの隣に有る寝室に入ってみた。
居た!!
先生が居る事に、少し安心した。
私が近づいてみると、先生の様子がおかしい事に気が付いた。
あまりにも、呼吸が荒くてなんだか苦しそう……
私は寝ている先生の額に手を当ててみた。
―――熱い!!!
多分、さっきより熱いかも。
私は慌てて先生の近くに有った体温計を、脇に挟ませた。
先生……大丈夫だよね?!
不安が募り、ドキドキしながら体温計が鳴るのを待っていた。