先生
気配を感じ、振り向くとヨロヨロと歩きながら冷蔵庫までたどり着く先生。
冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出すと、グビグビとラッパ飲みしていた。
「プハァ―――」
いやいや、ビールじゃないんだから。
「先生、ご飯食べる?」
「純那が作ったの?食べる食べる!!」
ん、何か可愛いんですが……
「じゃあ、座ってて」
私は先生を座らせると、熱々のお粥を小さい鍋のままテーブルに持って行った。
開けると湯気があがり、なんだか良い匂いがした。
うん、上出来だ。
「純那特製、野菜入り卵粥だよん」
先生は鍋を覗き込むと、
「旨そう!!!」
って喜んでくれた。
「食べようか」
そう言って取り分けると、『いただきます』と声を揃えて言った。
「うん、なかなか美味しい」
自己満足に浸っていると、先生はお箸に手をつけないでいた。
「あれっ?お粥嫌いだった?」
私が、不安そうに顔を覗き込むと
「ねぇ、純那。食べさせて」
って、キラースマイル。
こんな笑顔で言われたら、断れるはず無いじゃんか。