先生

先生、もしかして分かってて熱出した?

「又、熱上がっちゃうかも……」

と、しょんぼりする先生。
主演男優賞並みの演技力、なんて思いながらも先生に根負けして

「分かった」

なんて、承諾してしまう私。


意志弱っ!!!


私はバックから携帯電話を取り出すと、お母さんに電話をした。

事情を話したら、あっさり
『ちゃんと看病してきなさいね』
と言われてしまったのだ。

普通、
『ダメよ、早く帰ってきなさい』
とかじゃない?


さすが、経験者は分かってるんだろうね。


先生に今の事を話たら、さすがお母さん分かってる!!!と大絶賛。

お母さんと先生の、息が合う理由が分かる気がしたよ。


「やった――」

なんて言いながら、私の手を引っ張りベットに引きずり込む真咲先生。


あの……本当に病人?!


「きゃっ!!」

私は先生の上に乗っかってしまい、慌ててベットから降りようとした。

「ダメ」

そんな私の行動は、がっしりと掴まれた先生の手によって阻まれる。

< 412 / 444 >

この作品をシェア

pagetop