先生
先生、もしかして分かってて熱出した?
「又、熱上がっちゃうかも……」
と、しょんぼりする先生。
主演男優賞並みの演技力、なんて思いながらも先生に根負けして
「分かった」
なんて、承諾してしまう私。
意志弱っ!!!
私はバックから携帯電話を取り出すと、お母さんに電話をした。
事情を話したら、あっさり
『ちゃんと看病してきなさいね』
と言われてしまったのだ。
普通、
『ダメよ、早く帰ってきなさい』
とかじゃない?
さすが、経験者は分かってるんだろうね。
先生に今の事を話たら、さすがお母さん分かってる!!!と大絶賛。
お母さんと先生の、息が合う理由が分かる気がしたよ。
「やった――」
なんて言いながら、私の手を引っ張りベットに引きずり込む真咲先生。
あの……本当に病人?!
「きゃっ!!」
私は先生の上に乗っかってしまい、慌ててベットから降りようとした。
「ダメ」
そんな私の行動は、がっしりと掴まれた先生の手によって阻まれる。