先生

その時

―――キーンコーンカーンコーン


終業のチャイムが鳴った。
私達は急いで図書室を出ると、真咲先生ん家に向かった。


―――コンコン


ノックをすると、中から真咲先生が顔を覗かせた。

「おお、どうした?入りなさい」

「失礼しま――す」

そう言うと、ズンズンと中に入って行く柚子。

私達はソファーに座ると、先生に一部始終話した。


「……そうか。ありがとな、滝沢」

そうお礼を言うと

「じゃあ、今度なんか奢ってね」

って。

「ちょっと、柚子!!」

と、慌てる私に先生は笑いながら

「卒業したら、4人でどっか行くか」

って、ダブルデートじゃん。
それにしても、先生知ってたんだ。
柚子と聡史が付き合ってるの。

「何で知ってるの?純那??」

と私に振る柚子に、大きく左右に首を振って違うとアピールした。


「教師をナメてもらっちゃ困るな」


と、笑いながら自慢気に話す先生。
一瞬だけど、緊張が緩んだ瞬間。


ダブルデートか……

本当に実現出来たら、楽しそうかもね。

< 424 / 444 >

この作品をシェア

pagetop