先生
その時
―――キーンコーンカーンコーン
終業のチャイムが鳴った。
私達は急いで図書室を出ると、真咲先生ん家に向かった。
―――コンコン
ノックをすると、中から真咲先生が顔を覗かせた。
「おお、どうした?入りなさい」
「失礼しま――す」
そう言うと、ズンズンと中に入って行く柚子。
私達はソファーに座ると、先生に一部始終話した。
「……そうか。ありがとな、滝沢」
そうお礼を言うと
「じゃあ、今度なんか奢ってね」
って。
「ちょっと、柚子!!」
と、慌てる私に先生は笑いながら
「卒業したら、4人でどっか行くか」
って、ダブルデートじゃん。
それにしても、先生知ってたんだ。
柚子と聡史が付き合ってるの。
「何で知ってるの?純那??」
と私に振る柚子に、大きく左右に首を振って違うとアピールした。
「教師をナメてもらっちゃ困るな」
と、笑いながら自慢気に話す先生。
一瞬だけど、緊張が緩んだ瞬間。
ダブルデートか……
本当に実現出来たら、楽しそうかもね。