先生
―――フワッ



うずくまる私の背後から、フワッと温かく包み込むものが……


「せん…せ?いつの間に……」


私が顔を上げると、先生が心配そうな顔をしていた。


「お前、気づかな過ぎだよ」


温かい先生の胸の中に居ると、何だか安心出来ちゃうの。


不思議だね。


少しタバコ臭い先生のシャツは、意外にも嫌な気持ちにならないんだ。

めくられた白いシャツから出てる腕は、血管が浮いていて男の人って感じの腕だった。


「泣きやんだか?」


珍しく優しい先生。


「先生が…珍しく優しい」


「バカ、俺はいつだって優しいぞ」


そう言って私をギュッと抱きしめた。


「先生、なんか落ち着く……」


いつの間にか泣き止んだ私は、先生の温もりを感じて居たんだ。


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