先生

ポケットからさっき貰ってきたミルキーを取り出すと、口に放り込んだ。


んん、甘い。


ミルキーを食べると、先生とのキスを思い出してしまう。


もう、思い残す事は無いかな。


私は立ち上がると、ゆっくりとスカートを払い鞄を広い上げる。

校庭を見ると、流石に人が殆ど居なくなっていた。



帰らなきゃ……



もと来た道を戻り、下に降りると校門まで続く一本道を歩き始めた。


校門を出ると、もう私は現役高校生では無くなってしまう……


そんな事実が、私の足取りを重くさせていたんだよね。


分かってる。


たた、少しだけ名残惜しいの。


もう先生じゃ無くなるのが……


私は俯きながら、一歩一歩ゆっくりと歩いていたんだ。

俯いていた私の視界に、校門のレールがフェードインしてきたの。

私は覚悟を決め、ゆっくりと顔を上げた。



すると、そこには……



< 441 / 444 >

この作品をシェア

pagetop