先生
明日への扉
「真咲先生!!!」
そう、私の愛しい人が立っていたんだ。
「遅いぞ」
そう言いながらも、笑顔の先生。
「何で居るの?」
「卒業式に迎えに行くって言っただろ?」
もしかして、三者面談の時の?!
本当に…迎えに来てくれたんだ……
嬉しくて嬉しくて、私は躊躇無く校門を出ると先生の胸に飛び込んだ。
もう、何も気にする事は無いんだね。
胸の中に居る私を、力一杯抱きしめてくれる先生は
『ずっと一緒に歩んでいこう』
そう言ってくれた。
もちろん
「うん」
と、大きく頷いた私。
ゆっくりと離れた先生は、私に手を差し出した。
その手をしっかりと握りしめる私。
「もう離すなよ」
「うん、離さない」
私達は手を固く握りしめたまま、歩き始めた。
未来に向かって、1歩づつ1歩づつ確実に前進していた。