先生
先生は私に


「ダサいなぁ、新庄」


って言いながら私を覗き込んだ。

私はチャンスとばかりに先生の腕を掴み引っ張り込んだ。


「うわぁっ!!」


そんな声と共に倒れ込む先生。

急に先生との距離が近くなってドキッとしちゃったよ。


先生は私の上に乗っかる寸前に手を付いて回避していた。


でも私の心臓は、バクバクと音を立てたまま。


―――ドキドキ


「やられたなぁ~~」


先生は何事も無かったかの様に、笑いながら私の横に横に寝っころがった。


私達は横並びに寝っころがりながら、星空を眺めていたんだ。



無言が続く。



星空があまりにも綺麗で吸い込まれそうだった。


「新庄、佐伯の事好きなのか?」


先生からの思いもよらない質問に、私は一瞬固まってしまった。


「分からないよ。友達…だから」


「…そうか」


先生は私の方を向くと、少し切なそうな顔で笑った。


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