先生
胸がチクッとした。


「……先生?」


先生は星空を見ながら返事をした。


「ん?」


「…テストの結果が良かったら、行きたい所が有るの……」


本当は、連れて行って欲しいな。

って言いたかったんだけど、恥ずかしくて言えなかったよ。


「どこ?」


先生は顔だけこっちに向けた。


「内緒」


私は照れ隠しで、笑いながら言ったんだ。

上半身を起こした先生は、


「テストの結果が良かったらな」


そう言うと、私の頬を触った。



ヤバいよそれは。



ドキドキが止まらなくなっちゃうじゃん。


「せ…先生、それ反則!!!」


私が動揺丸出しで言うと、


「何がだ?」


って惚けたふり。


もうっ!!!


大人はズルいよ。


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