先生
私は少し離れた所にある図書室の屋上に来ていた。

大体、図書室になんか皆来ないから、このドアが開く事自体知らないんだ。


大きく深呼吸をする。


冬になりかけた風は少し冷たくて、鼻の奥を刺激した。

私は持ってきたお弁当を開くと、いただきますと独り言を言った。


たこ型に切っているウィンナー。


仕事だって朝早いのに、必ずお弁当を作ってくれるお母さん。


本当に嬉しいよ。


私は空を見上げた。
雲ひとつ無い青空。


篠も柚子も心配しているだろうな。


あんな行動を取ってるんだもん、不審がらない訳が無い。

私は携帯を取り出すと、図書室に2人を呼ぶ事にした。

もちろん、理由を話すために。


私がお弁当を食べ終わる頃に携帯電話が鳴った。


メールには


『図書室で待ってて』


って入れたから、私はお弁当をたたんで下に降りたんだ。


図書室に入ると、2人は先に来ていた。
2人以外にはもちろん誰も居ない。

昼休みに、わざわざ図書室に来る人なんて居ないよね。


2人は私を見つけると


「さあ、説明してもらおうかな」


って、早速の質問。


もう、2人共恐いから!!!

< 54 / 444 >

この作品をシェア

pagetop