先生
本心
私は初めて、今の本当の気持ちを話そうって思った。

柚子も篠の背中をさすりながら、黙って耳を傾けていた。

何から話せば良いか、良く分からなかった。


実際自分でも、まだ整理が付かない部分も沢山有るんだ。


だって、この想いを話すつもりは全然無かったからね。


でも、篠を見ていてもしかして私は逃げているんじゃないかなって思ったの。




私が好きな人には、思いは通じない……




だから、本心から逃げていたんだよね。
傷付きたく無かった。


すごい、好きだって気が付くのが怖かった。


のめり込んで抜け出せない気がしたから……


でも、もう気が付いちゃったよ。




騙しきれないね。




私は意を決して話し始めた。


< 60 / 444 >

この作品をシェア

pagetop