先生

「純那…この前は、急にごめん」


遊がゆっくり近づいて来る。


「私も…ずっと逃げてばっかりで、ごめんなさい」


どんどん近づいて来た遊は、私の側まで来ると近くの机に座った。


遊は私の肩に触ると


「この前も言ったけど……俺は純那が好きだから」


遊はいつもストレートだね。



体が固まって動かないよ……



「遊…でも…ね」



上手く言葉が出てこない。

あんなに授業中に頭の中で練習したのに、全く役に立って無かった。


遊は肩を抱いたまま、私を引き寄せた。


その瞬間、一気に篠や柚子の顔が浮かんだんだ。




もちろん、先生の顔も……




「遊、嫌だ!!!」




気が付いたら、私は遊を思い切り突き飛ばしていた。


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