先生

何???


ぽかんとする私の手に、ポツンと置かれた一粒のミルキー。


「あげる。ポケットに入ってた」


先生はポケットからもう1つ取り出して口に放り込んだ。

私もつられてミルキーを口に入れた。


ミルキーは甘くて少し温かかった。


まるで、先生が発する言葉みたいに甘くてゆっくりゆっくり溶けていく。

甘さが口いっぱいに広がると、何だか幸せな気分になった。


「美味しい」


「だろ~~」


そう言うと、帰るぞって言いながら部屋を出た。

私も慌ててついて行く。



一緒に帰れるかも!!!



なんて、ワクワクする私は単純だよね。



私は先生の後を、ぴったりとくっ付いて歩いた。

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