先生

「安心しろ、彼女なんか居ないから。
大体、居たらお前とは過ごせないだろ?」

嬉しいのか嬉しくないのか分からない発言なんですけど……

でも、彼女居ないんだって情報はかなり嬉しいんだけど。


「まぁ、みんなには居る事にしてるから頼むな」


又1つ、先生との秘密が増えて少し嬉しいや。


今から楽しみな『ご褒美』になっちゃったな。


私の家の前に着くと、車から出てお礼を言った。

家に入ろうとする私に

「新庄、待って」

呼び止めた先生は、ガサガサっと後ろから何かを取り出した。

「はい」

窓越しに手のひらに置かれたのは、一粒のミルキーだった。

「これ食べて早く寝なさい」

そう言うと先生はタバコケースを取り出した。


「ありがとうございます」


私は大事にミルキーを握り締め、笑顔で先生に手を振った。

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