先生
誕生日
「……大丈夫」


私は鏡の中の自分に言い聞かせるように呟いた。

鏡に映る女の子は、可愛らしい白いワンピースを着て自信なげな笑顔を見せている。


――――ドキドキドキ


昨日からドキドキして、実はあまり寝れていないんだ。


こんな日に最悪……


あれから全てテストが返却された。
今まで見た事が無い位の点数達に、自分自身信じられなかった。


オール8割以上


信じられないでしょ?

でも何より嬉しかったのは、お母さんに見せたら泣いて喜んでくれた事。

今まで1つも親孝行出来なかった私の初めての親孝行……


きっと先生は、見抜いてくれていたんだよね?


そんな事を思うと、余計先生が好きになりました。


もちろん、テストの結果を見て柚子も篠も黙っちゃ居なかったのは言うまでもない。


『どうするの?』


の質問責め。

まるで政治家にでもなった気分だよ。


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