せーしゅん。【短編集Ⅲ】



「お父さんも子どもだね」



僕はお父さんを目で送りながら言った。




「僕もああいう大人になりたい」



「そうか?」


キヤは仏頂面で言った。



「俺は恐妻家にはなりたくない」


「確かに」



クスッと笑うと


キヤもおかしそうにはにかむ。




「ゲームやるか」


「うん」






お父さんも


学生時代に忘れてきた


青春を取り戻しているのかも。






≪大人とこども―了―≫
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