―虎桜伝 K O O U D E N―
『気を付けて帰りなさいね?家に着いたらまた連絡ちょうだい』
「はーい」
もう!心配性なんだから。
でも…大切にされてるよね、あたし。
あたし…愛されてるよね?
これでいいんだよ…ね。
携帯の待ち受け画面をぼーっと見ながら、そんなことを考えていた。
そのうちに、地面の自分の影がいつもより濃いことに気が付いて。
「あ!満月だぁ」
夜空にはシン…と満月が浮かんでいた。