色葉
全10クラス同じことをやった


教師は最後の3クラス以外は来なかった


やっぱり待つのはつらいよな


ここ暑苦しいし


全新入生が入場したのを確認して先導していた先輩が壇上に上がった


あの先輩が司会役なんだ


と思っていたが、見事裏切られた


「私が生徒会長である藤木静(ふじきしずか)だ。入学式の司会進行を司る」


あのちゃらんぽらんだった人が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生徒会長?


でも今の挨拶はまともだったな


どっちが演技なんだろう?


「あぁ~カンニングペーパー無くしたぁ



まぁいいや。上級生代表挨拶ぅっと」


あぁ、ちゃらんぽらんが本性か


「えぇ~と。挨拶かぁ。



人様に迷惑かけないようにね」


小学生のクラス目標か!!!



「あぁ。そうだそうだ。


おれが生徒会長であるかぎりつまらない高校生活にはさせない。


それは保証しよう」


その時の会長の顔は真剣だった


この人はよくわからん


つかめない人だと思った


「あとは校長の話かなぁ?

つーかこれしか覚えてないわぁ


校長後の司会よろしくぅ~」


「新入生回れ右」


その号令に後ろを向くとおっさんが立っていた


筋肉隆々の禿。え~と、そっちの筋だと言われても信じてしまうくらいかなり怖い


「校長の楠一(くすのきはじめ)だ。偉そうなのは好かねぇから短く話す


人生一回しかない高校生活、


精一杯過ごせ。


手を抜くな。


何事も全力で挑め。」


本当に威圧感がすごかった


話された内容は大人なら誰でもいうこと


それなのに受ける印象が違った


全力で挑め


きっと今ならなんでも全力で取り組める気がした


< 10 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop