色葉
ふこうのかうんとだうん
つ、疲れた。


愛梨先輩のアドバイスは保健棟で言われた


『ごめんなさいご主人様。どうすれば許してくれますか？』


だけだと思っていたが違ったらしい。


保健棟のがあまりに衝撃が強すぎて、ホケーッとしていたオレも悪いかもしれない。


シャワー室に雛森先輩がついてくるのがおかしいと思えなかったのだから


でも、あの台詞を恥ずかしさで顔を赤く染めて、震える声と涙目で言われたら


普通じゃいられないだろ!?


相手はあの雛森先輩だし



可愛かった



抱きしめたりしなかった自分を褒めたい


そんな混乱の中で、シャワー室に着き


頭を冷やそうと思ったら


いきなりドアの向こう側から


『背中を洗わせてくれ』


って言われた時はパニック


必死で思いとどまってくれるように懇願したが


向こうも罪悪感と愛梨先輩の悪魔のアドバイスの影響かなかなか引いてくれず


高橋先輩が来てくれなかったらどうなっていたことか


高橋先輩はオレの次の授業が体育だったため、体育着を親切にもここまで届けに来てくれたらしい


あの瞬間高橋先輩が神様に見えた


向こう側からしばしば争うような声と、高橋先輩からの2･3の質問をされた結果


どうやら雛森先輩が折れてくれたようであがった時には二人ともいなかった


体育の授業に向かいながら


次会った時愛梨先輩に絶対文句言おうと誓った



< 100 / 178 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop