色葉
「さて挨拶は終わりなんだが、生徒会長に司会任されたからな」


司会やっちゃうんだ


でもあの会長がやるよりマシか


会長じゃちっとも前に進まなそうだ


「この後新入生代表の挨拶になるわけだが、


今年の代表者は美人なんでな


バカが何やらかすかわからないからここから挨拶することになった



ちなみに突っ込んでくるバカは死なない程度に投げてやるから安心しろ」


そう言った校長は確かに10人突っ込んでも軽々投げ飛ばせそうな印象がある


それにしてもおれは隣の秀に話しかける


「楽しみだな。暴動が起きるかもしれないほどの美人って」


「そうだね。期待してる」


満面の笑みで言いわれた言葉はどこか変だったが問いただす前に校長の大声が会話を遮った


「今から新入生代表が出てくるが騒ぐんじゃねぇぞ。じゃあ、新入生代表挨拶」


校長の声で新入生の中から動きがあった


今までだってその人物はそこにいたはずなのに


なぜかその時になって初めて気付いたらしい。スポットライトが当たったような感じだろう


人を圧倒するほどの存在感。そこを中心に周りが騒ぎ出す


そしてそれはオレだって例外じゃない


この中では一番つきあいが古いはずなのに


目の端にでも止まればわかったはずなのに


今まで全く気がつかなかった


全ての入場を見てるはずなのに


周りもそんなことを言っている


「あんな可愛い子いたか?」


そう確かになんで


なんでここにいるんだよ


古川つばさが!!!
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