色葉
頭使ったぁ。頭痛い


授業が終わりぐったりしているとこに声がかかる


「陣くん数研いかなくていいの?」


あぁ~あったなそんなの。せっかく忘れてたのに


「思い出させるなよ。気が重い」


「でも行かないと増えるでしょ?」


確かに。でもなぁ


「なんの話よ?」


「数研に来いって呼び出しがかかったんだよ」


「ほう。」


長がいやに嬉しそうに笑う


「なら行かなきゃダメでしょ?掃除当番は代りいれてあげる。杉崎でいいか」


「よかったね陣くん」


「は!?いや、これは嫌がらせだろ!?苦しみを早めさせる嫌がらせだ!!」


「そんなことないでしょ?早く取り組めば早く終わる。これは私の優しさよ」


「うん。おれも石岡さんに1票」


「え!?いや、でも」


そんなこと言った長の顔は仄暗い笑みを浮べているように見える。


これは優しさで浮べる表情ではないぞ


「さ、行った行った」


長に追い出されるように教室を後にしようとしたとこで「待った」の声


「反対だ。なんでおれがホギャ~」


後ろの悲鳴はわからなかったことにして数研を目指そう


最近のあいつの役目は出落ちばかりだな


次会えたら少し優しくしてやろうと思いつつ歩みを進める


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