色葉
「代案?」


秀の言葉に長の気がそれたようで、息が吸えるくらいに緩まる力


ナイス秀。


緩めるように言うより、褒めるより、気をそいだ方が緩まるのか。


学んだ。


次同じようなことがあったらそうしよう


「そうそう。陣くんに文句言うのは無駄でしょ?きっと『長様ってなんておもしろい呼び名』ってことくらいしか思ってないんだから」


呆れたような目で2人に見られた。なぜだ?普通そうとしか思えないだろ


「エリサさんに呼んで欲しい名を陣くんに呼ばせれば、結果エリサさんが呼んでくれるんじゃない?」


「うーそうなんだけど。石動に呼ばれたくない。」


え~とオレは嫌われてるんですか?扱いが酷くないか?


「本当は沙織ちゃんってエリサが言ってくれたら」


「沙織ちゃん」


ガンっと大きいのを一発もらった


「だから、アンタに言われたくないって言ってるでしょ」


長、ドスがきいてます。良い感じにドスが


「でも、陣くんが言わないとエリサさんが言わないよ?」


「知ってるわよ!!」


スゲェ~


苦々しい顔と恍惚とした顔を交互に浮べてるよ


その落差は見ていて楽しいが、その相手に急所を握られてると思うと気が気でない


しかも苦々しい方がオレだからな


どうやら苦々しさより恍惚さが勝ったらしい


「沙織でいいわ」


「ちゃんは?」


「アンタは喉がいらないみたいね。」


緩んでいた力が強まる


「喉がなかったら呼べないだろ!?可愛い冗句にそんな反応したらダメだって」


「気色が悪い冗句に私は反応したのよ」


「まぁまぁほら。先生入って来たし、この話はやめようか」


その秀の言葉に渋々と長が・・・・・・・・・・・・沙織が引く


秀ありがとう。お前がいてオレはここで初めて生きていける


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