色葉
「寝る」


担任はそれだけ言って夢の世界へ旅立っていった


昨日は初めてのため静かにしていたが、


ちょっと騒いだだけでは起きないってことが証明されているので今日は大いに賑やかだ


人それぞれ思い思いの場所で騒いでいる


オレの前にもわざわざやってきた奴が一匹


「で、なんでここにいるんだ?」


「兄貴のそばが一番楽しいと気付いたから」


「期待するほど楽しいことはしてねぇぞ」


「エリサちゃんと知り合いになっておいて何が楽しくないだぁぁぁ


紹介して!!!俺たち親友だろ!?紹介して!!!」


なんだか魂の叫びみたいだな。ここまで必死だとちょっと引くわ


「別に親友じゃないだろ。それにオレは紹介できるほど仲良くはない。お・・・・・・・・・沙織に聞け。あの二人は親友だから」


「ダメ。おれはまだ生きていたい」


清が即答で答えるほどあの時の沙織は危険だったのか


よく五体満足で切り抜けられたな。秀に感謝しよ


「なら諦めろよ。どっちにしろその障害乗り越えないと無理なんだし」


「兄貴がうらやましい。なんでこんなにバカなのにいい思いばかりしてるんだ!!!」


「いや、いい思いより悪い思いしかしてないが、つーかお前にバカと言われたくねぇ」


「嘘だぁ!!!秀、実際どうなんだ?」


バカの方無視かよ。まぁ清の方がバカってのは動かしがたい事実だからいいけど


「まぁ確かに悪い方が多いと思うけど、半分以上自業自得だからねぇ」


「は?そんなことないだろ。絶対オレは理不尽に陥れられてる」


あんな酷い目の半分が自分のせいなんて絶対ない!!オレは清く正しく生きているから常に被害者なんだ


ってなんで秀は呆れたような目をしているんだ?


・・・・・・・・・・・・・きっと同情の視線だな。うん。そーに決めた


なんたって昨日あった酷いことは


あ、思い出した。昨日のこと



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