色葉
謎解きは気になったが、秀の隣にいる女の子の方が気になった


なんか引っかかるものがある


「えぇ~と秀の横にいる人は誰だ?秀のガン」


途中までしか言えなかった


古川つばさが拳骨したからだ


いつも思うが、コイツの不意打ちには対処できた試しがないな


何しやがるって言えなかったのは夜叉って言われても納得できる雰囲気


これはオレが悪い時に浮べる表情だ


それにしても美人って怒ると怖く見えるな


って違うこいつは男


「本当に覚えてないの?」


「・・・・・・・・・・・・」


「男ってこういうとこどうしよもないわね」


お前だって男だろとは言いません


こんな時に話の腰を折ると酷い目にあうとは経験則


「真希(まき)ちゃんよ。小学生の時までずっと一緒だったじゃない」


「藤巻(ふじまき)!?」


藤巻真希とは小学校3年まで一緒だった


4年に上がる際親の都合で引っ越した


それにしても藤巻ってこんなだっけ?


昔はよく古川つばさと一緒に騒いでたのに


なんて言うか文学少女みたいだ


髪は三つ編み、めがねにうつむいて気弱そうだし


あの怪獣が子リスみたいになるとは時間ってすごいな


「えっと。よろしくね石動君」


「あぁよろしく藤巻」


「真希で『さて陣』」


藤巻の言葉を遮るように古川つばさが発言した


「謎解きしましょうか」


藤巻が恨みがましそうに見ているのを無視して


古川つばさは艶然と微笑んだ

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