色葉
「大変だったんですよ。雛森先輩は真に受けて『じゃあ、やってもらったの?』」


「目を輝かせて聞かないでください!!ギリギリのとこで高橋先輩が止めてくれました」


「ひろちゃんが。それは盲点だったなぁ、残念。」


「なんですか?」


「うんん。なんでもない」


ぶつぶつなにか言ってる気がしたが・・・・・・・・・・まぁいいか


「とにかく、もう二度とあんなことしてはしないでください」


「あんなことってなんだ?」


「昨日雛ちゃんに『石ちゃんも男の子だし、背中を流してあげれば喜ぶよ』って教えてあげたの」


「あぁ~そりゃ喜ぶだろうな。華は美人だし。よかったじゃねぇか」


「だからやってもらってないって言ってるだろ」


「やってもらってないねぇ。残念か?」


「そーなの?じゃあ、また頼んで『そーいえば用事があったんですよ』」


「逃げたな」「逃げたね」


保健医と愛梨先輩の言葉を無視し、話を続ける


「オレ千、宮下先生の性別を知りたいんです」


「石ちゃんあぁいう人がタイプだったの!?」


「そんなはずないでしょ!!なんでオレが『でも』」


「そーでもなきゃ気にしないでしょ?」


「いえ、オレ人に言われて気になったんですよ。ははははは」


うん。我ながらわざとらしい。苦しい言い訳だ


「う~ん、そう言われると確かに。ちーちゃんの性別ってわかんないな」


おぉ信じた。なんでも言ってみるもんだな


「豊ちゃん知ってるの?」


「えぇっと、あれ、うん。あぁ、それオレの管轄外だわ」


突然目が泳いで、言い淀むこれは何かある


オレでさえ気付いた保健医の変化は当然愛梨先輩も気付いてる


目と目で確認しあう


保健医のこの動揺ぶりは普通じゃない。と


吐かせたら楽しそうですね。


確かに吐かせてみようか


お互い表情でやりとりをし、にっこりと保健医に向き直る

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