色葉
学食には秀に沙織が席を取っておいてくれていた


「どうだったの?」


「だめ。口止めされてて話す気なし。」


「そうなんだ。じゃあ、打つ手なしかぁ」


「いや、ひとつある。下手すると危険だから使いたくなかったが、しょうがないか」


「そう、ならいいわ。答えがわかったらいいなさいよ。それより、私デザートのケーキね」


沙織が興味なさげに話題を変えた


本当に興味ないんだろうなぁ。結果知りたいでしょ?ってことで協力させたから過程はどうでもいいんだろうな


「おれは今日いいや。いつ来るかわからなかったからA定食頼んじゃったし」


あぁ~賭のこと忘れたわけじゃなかったのか


はぁ食券買いに行こ


とりあえずB定食の唐揚げ、豚汁、サラダにライスを購入し、席に戻った


「ケーキは?」


「これ持って行けば交換してくれる。」


そういって沙織に番号札を渡す


「気が利いてるじゃない。それより、石動、次数学だけど大丈夫なの?」


「何が?」


「何がってあんた・・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして忘れたの?」


「沙織は何のことを言ってるんだ?」


肝心なことを話さない沙織から秀に質問の先を変える


「ほら、昨日宿題が出たでしょ?あれだよ」


宿題?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、


「長、いえ、沙織が教えてくれなかったから」


長って言った時すごい目で睨まれ、慌てて言い直す


「それ陣くんのせいだと思うけど」


「そーよ。やってこない方が悪い」


「そんな。ちょっと二人とも手伝って。少しでも多くやって"やるだけやった"って体裁を作りたいし、教えてくれ」


「しょーがないわね。明日もケーキで手を打つわ」


「こっちは明日、カツ丼定食ね」


一も二もなくその提案に飛び乗り宿題を少しでも多くこなすため急いで食べた


忘れたなんてことになればどんな悲惨なことになるか。恐ろしくて考えたくもない


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