色葉
結果的に言えば宿題の3分の2は終わらせた


これなら後は難しくて無理だったという言い訳がきく、そう思い大丈夫だと踏んで、逆に千景先生の驚く様を見るのが楽しみになった


あの先生は絶対してないと思ってるに違いない


そんなことを思ってると千景先生に呼ばれ、前に出た


「石動くん。昨日の宿題を提出しなさい」


その言葉に3分の2もやってあるオレは得意満面で提出する


千景先生は宿題をザッと見渡すが、表情はピクリとも動かない


「ごめんなさい。」


いきなり言われたことは何について言ってるかわからなかった



「正直今の石動くんの実力なら半分も出来てないだろうと思ってたけど、次はじゃあ、もっと難しくしても大丈夫か」


次?もっと難しく?


確かに半分くらいの問題はオレでも解けた気がする


これはえっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・失敗したぁぁぁぁ


「すいませんでした。人の手を借りました。なのでお願いですから難易度を変えないでください」


得意気な顔をすぐさま悲痛な顔に変え訴えるが、相手の顔は全く変化がない


なんか相手が男女ってより人間かどうかの方が気になり始めるな


「そう。別にいいよ?人の手を借りても。」


「いえ、借りないので、借りないので難易度は現状維持の方向で」


難易度が上がるとめんどくさいことこの上ない


しかもこの方法は厄介だ。人に教われば難易度は上がり、なぜか実力を正確に把握してるっぽいから手抜きが出来ない


「石動くん。ここの問題解けたはずよね?時間が掛るからってとばしてはダメ」


確かにそこは面倒なのでとばした場所


「えっと、先生はなぜオレの実力を把握してるんですか?」


「その為の問題を昨日した。だいたいは把握したからズルしたらわかる」


この言葉でオレは完敗を悟った


無理。なにこのやり方。すげぇ生徒泣かせだ


その後宿題を更に課され、泣きたくなる思いを抱えて席に戻った


この時オレは決めた。危険でもやろうと。



こうなったら絶対性別暴いてやる!!

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