色葉
何回か繰り返すうちに何の本か気になり見てみれば、意外にも中学の数学の参考書


わかりやすい数学。中学生用


えぇっと。専門の数学書とかじゃないの?


邪魔するなと言われたが、気になり聞いてみたら「石動くん用にね。」ってパソコンから視線を外さずそんな解答


「ばかですみませんね」


「ふふふ。半分は冗談なのに。2組と3組にも似たような子がいたから参考に見てみたの」


そこまでバカじゃないって言いたかったが、果たして5割正解できるかどうかなオレには言えなかった


「でも、ダメね。参考書ってのは。あまりに簡単過ぎると飽きちゃうし、難しすぎると投げ出したくなる。


バランスを重視してみても得意不得意で簡単と感じたり難しく感じたり。役に立たないわ」


「役に立たないって、それって当たり前のことなんじゃ?」


「そうね。でも教師の私には簡単過ぎないし、難しすぎない問題を出せるし、わかってないとこがわかるようにもできる」


それ普通の教師にはできないことだと思うんだが


でも確かにオレのレベルを完全に把握していたよな。


「ってじゃあ、なんでオレには半分しか解けない問題なんか!?」


「中学の復習なんだからすこし高めに設定したのよ。」


そこでパソコンから目を離し、呆れたような目を向けられた


「私は無駄な期待したみたいだから今度のはちゃんと一から解いていけば最後まで解けるはずよ」


それは喜んで良いのか?なんかバカにされた気がする。


それより気になるのは


「どうやって得意不得意を見分けてるんですか?」


「問題の解く早さと間違いの質。後はその問題を解く時のその子の反応なんかから」


「・・・・・・・・・・」


異常に頭がいいのか?それとも教師が長いと出来るようになる特技か?


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