色葉
「今のとこ石動くんくらいしかわかってないのよねぇ。だからここらで一回テストをして学力をはかる。これはその問題」


「そんなことオレに言っていいんですか!?」


「石動くんは把握してるからズルすればわかるわよ。まぁ努力の跡って言うなら私はそれに合わせた問題を次から作るし」


なんか意地悪だ。なぜかわからないがとってもそう思う。


「ちなみに私の授業は宿題出すから石動くんはちゃんと毎日やるのよ?」


「えぇ~」


「文句言わない。大学行きたいならそうしときなさい。」


「大学って3年も先のこと考えてないですよ」


「特に希望ないなら大学行きなさいよ。人生経験は多い方がいいし、社会をよく見るのに大学生って身分は気軽でいいわよ?」


「おぉ~。千景先生が先生みたいだ」


「ふふふ。確かに似合わないことしてるわね」


「自覚はあるんですね」


「そうね。私は立石と同じ理由でここにいるからね」


立石って保健医か。保健医って確か


「人をからかって遊んで楽しいですか?」


「えぇとっても。特に顔を真っ赤にして、意地を張るくせに妙に素直な男の子をからかうのはとっても楽しいわね」


この話題の不利を悟り、話を変える


「なんで数学なんですか?」


「ん?」


「いや、教師でいいなら数学でなくてもって思いまして」


「あぁ数学が一番教えがいがあるでしょ?どの科目も暗記するだけ。それじゃ味気ないわ


それに数学なら私が笑える解答がたくさんありそうな気がしたんだけど」


・・・・・・・・・・・・どんな理由だそれ


「実際は社会の方がおもしろい解答が多いみたいね。残念。だから教えることに熱意を向けてるの」


なんか理由が不純過ぎてなんとも言いづらい


「それより終わったら帰って良いわよ?今日はこれで済ますけど、次はもう少しハードにするから」


その言葉に残りを一気に持つ。予想より早く帰れるな


「石動くんならまた近いうちにまたやるだろうからね。期待してるわよ」


「これで最後です!!!」


そう残して数研を後にした

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