色葉
途中で静と遭遇した


「高橋って呼ぶべきか?」


静の普段にない友好的な言い方。


他の人と接する時とは全く違う温かみがある


「ここには静と僕しかいないからどっちでも。あぁ、このメイク落すまで待ってくれてもいーけど?」


広之の神経質そうな雰囲気とは似ても似つかない能天気そうな雰囲気。


「勘弁してくれ。オレは忙しい。で、どうだったんだ?雪(ゆき)」


雪と呼ばれた高橋広之はにっこりと笑みを浮べる


「静の予想通り。はぁ、僕にこんな仕事押しつけるなんて。


静だからやってあげたけど、意趣返しはするからね。ってよりしたからね?」


「何をしたんだ?」


凄みのある低い声。


他の人ならこの恐ろしさに白状するのがありありと想像できる


「静ぁ~。僕に凄んでも意味ないよ?


それにしても、静は酷くて冷たいやつだと思ってたけど、ここまでバカだとは思わなかった」


「どういう意味だ?それより何をした?」


「用意周到だよねぇってこと。僕を唯一見破る千景先生を静が足止めして、僕に華ちゃんの気持ちを調べさせる」


"何をしたのか"静はこれを気にしてここにとどまっている


それがわかっているからこそ言ってあげない。


静は気付いてるんだろうか?これも意趣返しってこと


さっきの忙しいって言葉は嘘じゃないだろう。生徒会でやる仕事を一人でこなしているのだから


「華ちゃんってとってもいい子なの。一生懸命で、反応が可愛くて。それなのに静ときたら。」


非難の目で見てみるが何のその。全く可愛げないなぁ



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