色葉
顔が紫に黄色に染まっていて、直視に耐えない顔をした清だ。



うわぁ、近くで見ると余計にキモ!!


「お前なんだその気持ち悪い顔は!?」


「陣くん、杉崎君の顔はもともと『おい!!!兄貴のはまだわかるが、秀お前は言い過ぎだ!!!』」


最後まで聞かなくてもわかったのは自覚があるからでは?


それに秀の言い分も「兄貴何もっともだって顔してるんだ!!!」


清は激しく頭をふり、オレと秀に指を指し喚き散らす。


「こういう時は普通もっと優しさを持って接するべきだろ!?


なんでそんな反応なんだよ!?


心配しろよ!!!」


『それこそ自業自得だからだ!!』


清の大声に負けない声でオレと秀が声を上げる


沙織に対してあれだけのことをしたんだ


「よく生きてたと感心はしても心配なぞしない」


うん。怖くて記憶に修正の後が見られる


思い出したくないと本能が訴えてる


「というかなんでそんなに回復が早いの?普通その状態になるのは3日後とかでしょ?」


「オレは慣れてるからな。身体代謝がいいんだ」


誇らしげに語るが、間違ってる


「新陳代謝ね。身体代謝ってなんだよ


それより時間だからさっさと席に戻りなよ。ほら、机にお見舞いの品でも入ってるかもよ?」


「おぉ、確かに。秀って気が利くな」


秀の言葉に感謝して自分の席に駆け戻っていく清を見て哀れに思った


「入ってるわけないのに。秀って酷いな」


「あぁ言えば一刻も早くどっか行ってくれるでしょ?あの顔をあれ以上見たくない」


その言葉には全面賛成のため何も言わなかった。


そのうちチャイムが鳴り、千景先生が入って来た


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