色葉
「な、な、なんでなんっすか!?

今会長も言っていたのになんでオレだけ!?」



「ん~なんでぇ~っていわれてもぉ聞えてなかったんじゃなぁ~い?」




悪魔だ




さっきまでの慈愛にあふれた爽やかスマイルが悪魔の笑顔に見える



「それよりぃ~早く逃げなくていいのぉ?」


その言葉が終わるよりも早く


保健室という今はもう古代ローマのコロッセオにしか見えない区域から脱出した



「くすくす。すごぉい勢いだったねぇ~

そっちの3人もホームルーム始まるから帰りなよぉ」


それだけ言って出て行こうとする会長をつばさが止めた




「なんで陣に興味を持ったんですか?」


会長は振り向きもせずに「企画に使えそうだから」と普段とは違う声でそれだけ告げて去っていった



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圧倒された


その言葉が正しい


秀は初めての感覚だった


話すな!!


そんな言葉が雰囲気からバシバシ伝わってきて言葉を発することも出来なかった


そんな中普通に話していた陣が信じられなかった


「会長ってなんなんだ?」



「会長は特殊科の生徒です


何が気に入られたのかわかりませんが、おじいちゃんのお気に入りようがすごくて」



「へぇ~真希ちゃんのおじいちゃんにそれは一筋縄じゃいかない人ね。逆らわない方が身の為か。


とりあえず今はクラスに帰りましょうが。することがなくなったわけだし」


反対するものはなく3人は保健室を後にした


陣は結局身の安全を考え早退した


ホームルームしかなかったからいいけど・・・・・・・・・・・・いいのか?高校生として


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