色葉
ホームルーム終了のチャイムが鳴り響く


中学と違い長閑な休み時間が始まる



―――――――殺気


バッと机から離れるのと机からバンっと大きな音は同時だった



健康的に日焼したほっそりとした女の子が半眼で睨んでる



髪はショートカットでボーイッシュな感じの見覚えのない子





オレなんかしたかな?





というか長閑な休み時間が即終了かよ



助けを求めようと視線を秀に向ければ


すっごい笑顔を返された




助ける気ないなコイツ




しょうがないので目の前の女の子に目を向ける


「ええっと。何か用?」


どうやら地雷だったらしい。プレッシャーが増した


流石秀でたものしか入学れない(はいれない)ミチル高校



女の子とはいえこの子強い



「なんかよくわかんないけど、ごめん」



こういう時は謝るのが一番



「はぁ」大きなため息をしたら怒気も一緒にどこかへ消えたらしい


あの一触即発の空気は拡散し呆れた顔になっている



「昨日クラス長に決まった石岡沙織(いしおかさおり)です」


それで納得した


秀曰く大接戦だったらしいので


それは恨まれるかもな


「何か勘違いしてるようだから言っておくけど、私はきみを憎んでるんじゃなく怒っているのよ」





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