色葉

「失礼しました。」


元々良かった背筋をこれでもかと正した後、勢いよく頭を下げた


もちろん目の前には教卓があり、ガンっと音を立て強打している


うわぁ痛そう。そんな音だったが、悲鳴ひとつあげず慌てて頭を上げてる。


でもうん。やっぱりかなり痛かったんだな。



涙目だ。



「お、お見苦しいとこをお見せしまして、今日は、あ、いえ、その、は、すみません。」


と言って頭を下げまたガン。


ええっと。


なんていうか。



うん。可愛いな



雛森先輩はうぅ～ってうめいて教卓に八つ当たりしてる


しばらく八つ当たりをした後はっとなって秀を見てまた背筋を正す


「今日はどういったご用件なのでしょうか？ええっと、今日からは新入生歓迎イベントの準備の為部活がありませんが、あ、いえ、やります。ヤル気がないわけじゃないんです。」


あの、その、ええっと、と要領を得なくなって隣から声がした


「姿勢を正せ。所属と名前。」


それが秀の声だと気付くのに時間がかかった。いつもより1オクターブ高い声。まるで女性の声のようだった


雛森先輩はその声に反応したようだ。さっきまでの狼狽は嘘のように姿勢をピンッと正した


「剣道部所属雛森華。大杉先輩の後を継ぎ部長やってます」


よくとおる清んだ声。迷いのない凛とした真があってとてもカッコイイ


さっきまでの狼狽がなけば


それにしても剣道部なんだ。荒事には慣れっ子な感じの理由がわかった


「よし。休め。私をよく見て気付くことはないか？」


「･････････････････････あれ？大杉先輩。泣き黒子どうしたんですか？」


「オレは大杉百合の弟です。」


さっきまでの女性のような声から地声に戻ったな


「弟さん!?じゃあ、大杉先輩は？」


「今なら大学にいるはずですからここにはいません」


「本当に？よかった。うぅ。よかったぁ～」


そう言いながら雛森先輩は泣き崩れた


ええっと。


秀説明を