色葉
「学科別に植わってる花はその学科を表すと言われるそうで


特殊科の桃は天下無敵

進学科の花梨は努力

特別科の梅は高潔で孤高

スポーツ科のアーモンドは希望


しかし、アーモンドには他にも愚かや無分別って意味があるため


アーモンドによく似た桜っていう別名をよく使う


ってのが秀に聞いた話ですね」


これに当てはめると長に言った台詞は悪口でしかない


"貴方って希望だな"より"貴方ってバカだな"の方が意味が通じるからな


聞き終わった千景先生は「やっぱりか。」なんて言って頭を抱えてる


どうしたんだろう?


「やっぱり男の子ね。いい?それには続きがあるの」


続き?そんなこと秀は一言も言って無かったが


「これはちゃんと覚えておくのよ

花梨は唯一の恋

アーモンドは真心の愛

桃は私はあなたの虜


って言ってどの場所かによって意味が違うのよ」


なんだそれ?どれも同じ意味に聞こえる


「だめねぇ石動くんは。そんなんじゃ女の子捕まえられないわよ」


すごい冷たい目で見られた


呆れたのが顔に出てたか


「まず、桃は尊敬する人、アーモンドは片思い、花梨は恋人ってのが基本ね。ちなみに告白する場合は花梨の木の下が多いわね」


「その知識いつ必要になるんですか?」


「今の時期昼休みに花梨の並木道なんてカップルばかりよ」


「ありがとうございます、それは知っておいて良かったです。」


知らずに行ったら大変だったな


「一緒に行ってあげようか?」


クスクス笑いながらからかう千景先生


いつもこれくらいわかりやすければと思いながら「遠慮します」ときっぱり断った


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