色葉
「オレのことを調べたのか!?」


声が詰問口調になったのも仕方がない。


自分のことを知らないとこで調べられるのは気分がいいものではない



「正確に申しますと、石動様ではなく、古川つばさ譲を調べたのです。」


「古川つばさを?」


「その過程で石動様のお名前があがっただけです」


無視された気がするのは気のせいか?


「皆様多種多様な反応がありましたが、


簡単に言えば一番詳しいのは石動様であり、二人は恋仲であるという結論に達したのですが、何か反論が?」


「ある。オレと古川つばさはただの幼なじみだ」


「まぁ。美鈴の調査が失敗するなんていつぶりかしら。クスクス」


偉く楽しそうにエリサが声を上げる


口元を覆いクスクス笑う仕草も一々絵になる


「お嬢様これは私のミスではなく、石動様の不甲斐なさからだと判断いたします」


憤然やるかたないというように園原さんが声をあげ、見下すようにオレを睨む


オレは勿論徹底抗戦の様相で受けて立った


「それはどういう意味だ。」


「幼なじみなのでしょう?だったら後は意気地があればとっくに恋人じゃない」


「どういう論理だ。第一オレは古川つばさに対して恋心は抱いてないから意気地があろうがなかろうが恋人なんぞにはならん」


「それが意気地がないというのですよ。あんなに見目麗しい人に対して何も感じていないなどと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もしや女性に興味がないので?」


「そんなわけあるか!!!」


「疑わしいものですよ。女性としてある種完璧な古川つばさ譲でなく、男か女かもわからぬ宮下教諭と戯れるのがいい証拠」


「あれは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数学でわからないことがだな」


「はん。何ですかそのわかりやすい言い訳は。あなた自分で"話に来た"って言ったじゃない」


「やっぱり覗いてたのはお前かよ」


「"違う"とは一言も言ってませんが」


「"身に覚えがない"とは言ってたよな?」


「"不手際について"が抜けてますよ?」



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