色葉
「しかしな、私より高橋の方が有能なんだ。

それなのにクラスの代表になり


去年スポーツ科を代表する副会長に決まって。こんな身に余る役目


私なんかじゃなくもっと優秀なやつはいくらでもいるのになんで」


「でも、私は誰より雛ちゃんの方が向いてると思うよ」


「え!?」


「今日ひろちゃんが偽ゆりちゃんに頭下げてたけど、あれ絶対雛ちゃんの真似だよ。


好感度アップだよ。好感度アップを狙ってるんだよ。エ○ゴリ君」


「え~と偽って。○ネゴリ君って」


「雛ちゃんは雛ちゃんでいればいいの。


雛ちゃんができないこと、向いてないことは周りに押しつけちゃえばいいの。


それでも、雛ちゃんにしかできないことがあるから副会長なんだよ


ってあれ?なんか変だったかな?」


「いや。ありがとう愛梨」


そう笑った雛森華にさっきまでの影はなかった


そしてゴンっと拳骨


「目上の者には敬語を使おうか愛梨。」


「うぅ。酷い。私が一生懸命雛ちゃんを思って笑わせようとしゃべったのに」


「笑わせようとしたのか!?励まされているものとばかり」


「え!?雛ちゃん落ち込んでたの?

どうしたの?いじめられた?

ひろちゃんにセクハラされた?


あ、もしかして、太っ」


その単語は許さないとばかりに口をふさぐ雛森華


「もういい。私は大丈夫だ」



そんな時にフッと窓から下を見て発見した

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