桜の嵐
愛しい傷
「っ、――く、ひっ…」
静まり返った室内に響く、自分の嗚咽。
荒く吐き出された息も、溢れて止まらない涙も、熱い。
貫かれ、痛むこの体も。
――どうして。
どうして、こんな事……
好きだったのに。
大好きだったのに。
ヒドイよ……
思ったら苦しくて、また涙が込み上げた。
ベッドに横たわったままの私を見ようともせず、椅子に腰掛け淳兄は繰り返し煙草を吹かす。
これで何本目なのか。
どれ程時間が流れたのか。