桜の嵐
「ど、して――っ?」
掴まれた腕が、震える。
「聞いたんだ、美桜と地元が同じ奴がいて……」
バツが悪そうに目を逸らした溝口君に、訴える。
「はな…して…」
声まで、震える。
知っていた、溝口は……
知られてしまった……!!
「―――イヤだ」
訴えは、更に力強く握られて叶わなかった。
その声に、ドクンと一拍置いて高鳴る鼓動。
―――苦しい。
のに、触れている所が熱くて、胸がぎゅうと締め付けられる。