秘密な私の愛しき人
小実の言葉に俺は思わず振り返ってしまった。



小実は意味深な笑いをしていた。



「あの子…?」



もしかして……



「穂樺ちゃん…だっけ?あの女の子」



―ッ!!



なんで、穂樺のことを…



確かに前に俺の家に来た時に穂樺と会ったが、その時は穂樺が気を使ってくれて親戚の女の子となっていたはず…


まぁ、結婚してるから一応親戚なんだけど。



「何言ってんだ。穂樺は親戚の子だぞ」



俺はできるだけ平然を装って言った。



「嘘…なんでしょ。」



小実の顔は笑っているが目はまったく笑っていない。



冷たくて…恐ろしい目だ。



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