秘密な私の愛しき人

「うん…」って頷くと、はぁ～と美佳にため息をつかれた。



「鈍感っていうか鈍いっていうか…なんか凄いわ。

風内くん、穂樺と一緒にいるときって満面の笑顔じゃない！」



「そう？」



たまに洸くん見るけどいつも笑ってる。



「そりゃあ笑ってるけど心からは笑ってないじゃん。
でも穂樺といるときは心から笑っていると思うよ」



まったくわからなかった。


美佳ってのほほーんとしるけど、よく見てるなぁ。



「ねぇ、穂樺覚えてる？去年、私が言ったこと」



「えっと…なんだっけ…？」



「『人の気持ちは凄く思い通りにならない』ってこと」



呆れながら美佳は言った。