秘密な私の愛しき人
洸は先に教室いた。



「珍しいじゃん。学校で俺に話しかけるなんてさ」


俺はフッと笑った。



学校でも名字が一緒ということで俺達が兄弟ということは知られているから洸は特に俺と関わることを嫌っている。



「仕方ねーだろ。こういうときしか話せねーから」



そう言う洸の目は、もう兄貴を見る目じゃなくて敵をみるような目だった。


こういうことのきっかけを作ったのは俺とはいえ、怖えーよι



「…穂樺か?」


時間もないし俺はズバッと切り出した。



「当たり前だろ。--穂樺の元気がないんだよ」


洸の顔が切なくなった。



そうなのか…


そんな穂樺をすぐに抱きしめたい衝動にかられたが、ぐっと我慢した。



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