秘密な私の愛しき人
「確かにそうだよな」



「あ、あぁ」



周りは再びざわめき始めて、そんな声が聞こえだした。



洸くんが…助けてくれたんだ。



「穂樺、大丈夫?」


美佳が心配そうな顔をしていた。



「うん。大丈夫」


私は笑顔を作った。



「おい、穂樺」


洸くんが私の側に来た。



「落ち着けよ。普通にしてたらデマだってなるからさ」



小さい声でそう言って洸くんは靴箱に入っていった。



そうだ。

私がオロオロしていたらバレちゃう。


しっかりしないと。



「美佳!教室行こう」



私は気持ちを切り替えて靴箱に入ろうとした。



「伊沢!」


先生に呼ばれた。



「なんですか?」



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